難易度が高い割に稼げない仕事
<概要>
日本語教師になるには、大学で日本語教育を専攻した人以外は、基本的に日本語教師養成の学校に入って勉強します。最短で半年でカリキュラムを終えることができますが、殆どの人は1年かけて勉強します。費用は50万円程度です。学校にもよりますが、管理人の通っていた学校は実習授業が多く、授業準備が大変でした。かなり苦労してカリキュラムを修了しましたが、結局、色々事情があって日本語教師にはなっていません。
やはり給料は安いです。自分一人だけならいいですが、日本語教師の給料で家族を養うのは難しいです。かなりのキャリアを持つ日本語教師の方でも、給料が安すぎると憤ってました。
しかし、ほとんどの人は日本語教師という仕事にお金ではなくやりがいを求めていますし、給料が安くでも人が集まる状況にあります。
副業としての日本語教師ですが、経験のある人ならいいですが、学校を卒業したてだと、授業の準備に時間がかかりすぎて、かなり割に合わない副業になると思います。時給2千円といっても実質はの数分の一になる感覚です。
本業でも副業でも、やはりやりがいを感じないと続けていけない仕事だと思います。
どこで仕事を見つけるか?
ネット上でも募集がありますが、副業の場合人脈で見つけることも多いようです。日本語を学習する人は年々増えていますし、求人は多いです。
どれぐらい稼げるのか?
時給は1,500円から2,000円程度です。
ベテランならともかく、授業準備には相当時間がかかるため、金銭的には割に合わないでしょう。
初級のクラスだと、わかりやすく説明するため絵や写真を準備したりするので特に大変です。
難易度は?
非常に高度なスキルが要求されます。
勘違いしている人もいるかもしれませんが、日本語さえ話せればできる仕事ではありません。
例えば、
●これはリンゴだ。
●これがリンゴだ。
という文章で、「は」と「が」の違いが説明できますか?
これは相手が日本人でも説明するのが難しいです。なおさら日本語が母語でない外国人に説明して納得してもらうのは困難ですし、教えるのは本当に大変です。
総合評価
おすすめポイント:
大変な仕事の割に、金銭的には割の合わないところもありますが、日本語教師の方々に話を伺うと仕事自体は楽しいとおっしゃる方がほとんどです。
副業で日本語教師をしている人の体験談
副業で日本語教師をされている人に話をうかがいました。
すき間時間に日本語教師(東京都/女性)
本業は心理学系のセミナー講師です。
仕事の関係で海外に行くことが多く、ミーティングなどは英語を媒介語にした多言語で、自然と多くの言語が飛び交っている空間や、異文化交流というものに慣れ親しんできました。
セミナー講師の仕事はやりがいがある仕事ではありますが、セミナー開催中は仕事があるのですがセミナーとセミナーの間は仕事がなく、空き時間を有効に使おうと副業を探していました。 条件は、セミナーとセミナーの間でもできるように、自分でスケジュールを調整できるもの。 または長期の休みを繰り返しながら続けていけるものを探していました。 最初、短期で派遣の仕事でもしようかと思ったのですが、長期の休みを取りながら長期間契約をするのは難しく、なかなか条件にあったものがみつけられませんでした。
すぐに収入を得なければならないといったような切羽詰った状況でもありませんでしたので、休止期間の度にハローワークなどを覗き、ちょくちょく検索をしていました。
そしていろいろ検索しているうちにふと目にとまったのが日本語教師だったのです。
普段から多言語には慣れ親しんでいますし、教えることにも慣れています。これは自分にぴったりだと思い、興味を持ちました。
ところが蓋を開けてみると、日本語教師には資格が必要とわかり、一度は断念しました。
しかしハローワークに通ううちに、同じハローワークの中で職業訓練校に日本語教師があるということを知り、思い切って タイミングを見計い、休みを長めに取り、まずは職業訓練校で資格を取ることができました。
そしてとっても簡単に仕事も見つけることができたのです。
最初聞いた話では、日本語教師は稼げない。低収入と聞いていたのですが、上手く本業と両立できるようにセッティングし、副業としてであれば、けっこういいアルバイトになります。 副業としてやるなら、拘束のある日本語学校に勤めるのは難しいのですが、プライベートレッスンであれば、 個人的に契約をすることができますし、1回ごとの支払いで、ある程度日程も自由になります。
そして副業と考えるのであれば、いい稼ぎになります。
ではどのぐらいの収入になるのかといいますと、人にもよりますし、キャリアにもよりますが、平均、1時間2千円です。
週に1回という人もいますし、週に3回。または毎日やり1ヶ月で終わらせる。という注文の人もいます。 いろいろです。インターネットでそういう採用リストがありますので、お互いに条件の合う人を見つけたり、慣れてくると口コミで紹介などを受けたりしながら、 条件の合う人を見つけていきます。
そうすることによって、私の場合は月平均2~3万の収入が得られています。
仕事自体は面白いです。人に興味があり、人とコミュニケーションすることが好きですので、まずそれだけで面白いですが、 国によって考え方や習慣が全然違い、驚かされたり、笑わされたり、ホッとしたりと、飽きません。
タイ人は待ち合わせに1時間遅れてくることは普通のことですし、中国人は感情的に激しいですが割と素直で憎めません。
気をつけなければならないなと思ったのは、日本人特有の考え方で、怒ったりするのは違うんだなということでした。
日本では非常識なことも相手の国では常識であり、悪気がないこともあるからです。レッスンは言語だけではなく、そういった日本の常識やマナーなども教えていくことになります。
メリットは、まず1つでも資格を持っているということがいいです。先々何かに使えるかもしれないからです。 また、日本語教師は今、人手不足です。よほどひどくない限り、仕事があります。
また、大学新卒もいますが、逆に定年後の職としてこの仕事を選ぶ人もおり、つまり何歳からでも作れるキャリアであると思います。 デメリットは、時給としてはすごくいいのですが、最初慣れるまでは準備が本当に大変です。 最初のうちは、授業の組み立てなど、(教案を作るといいますが)実際に授業をする何倍もの時間を準備に費やされます。
他人におすすめできるかという点については、こういう仕事に興味があり、異文化交流を面白いと思うのであれば、お勧めです。毎日が楽しくなると思います。効率よくただお金だけを稼ぎたいというのであれば、そういう方には不向きと思います。
日本語プライベートレッスンは自分を高めたい人におすすめ(30代/女性)
知り合いの方からのご紹介を受けて、日本にお住いの外国の方向けの日本語のプライベートレッスンを副業としていたことがあります。日本語のと書きましたが、プライベートレッスンなので、日本語の勉強を本格的にしたいという方もいましたが、英語が通じないかもと不安に思われる場所に一緒に行って欲しいという方もいれば、日本での生活を軌道に乗せるためのサポートをとお願いされる方もいました。
こんな感じでしたので、いわゆる留学目的の日本語学校の生徒さんとは違い、日本語能力試験や受験とは関係ないため、レッスンの内容もそれぞれの生徒さんのニーズに合わせて行いました。また、この時までにこういう成果を出さなければいけないということもなかったので、比較的、ゆったり、おっとりと授業を進めることができました。
とはいえ、先生と学生の関係でという方もいましたが、お相手の方の性格に合わせ、お友達のようであったり、上司と部下のようであったり、親子関係のようであったりと、お相手の方に合わせ、自分の位置を一瞬にして見極める必要があり、初めのうちは戸惑いを覚えました。
頂いていたお金は、一時間、約8000円ほどだったと記憶しています。しかし、早朝レッスンであれば時間はきっちりしていますが、ランチタイムや夜の時間のレッスンになりますと、予定の時間をオーバーすることも多かったです。お仕事であり、プライベートのお付き合いでありという感じでした。ちなみに、この費用は生徒さんが払っているのではなく、生徒さんが会社に申告して銀行振り込みでいただいていました。
私がかつてしていたこの副業は、楽で楽しそうと思われるかもしれません。しかし、外国の方は求めるものが高く、ただのお遊びのように見られることでも、準備はかなりの時間を要しました。初めのうちは1、2回した後、お断りが来たことがありました。自分の足りない部分を思い知らされ落ち込みました。また、お仕事をご紹介してくださった方はそんな私によくご紹介を続けてくださったものだと感謝しています。
この副業を通してお目にかかった外国の方で、印象に残っている方が二人います。一人は日本の古典の知識まである方でした。レッスンの合間に聞かれることに対応するために、私にしてはたくさんのお勉強をしました。それでも足りなくて、これは私の宿題ですということもたびたびありました。もう一人の方は、日本文化に大変興味をお持ちの方でした。最後の方は立場が逆転していて、その方のお話を私が聞くというような感じでした。
その後、夫の仕事の関連で、私も海外に行くことになり、この副業も終わりとなりました。後で分かったことですが、私のように個人からのご紹介でなくても、日本語のプライベートの講師の登録会社というものがあるようです。ご興味のある方は登録してみてはいかがでしょうか。お金のためではなく、自分を高めたいと思う方にお勧めの副業だと思います。